セカンドオピニオン(second opinion)とは、もともと医療の世界から始まった言葉であり、患者が治療方針などについて主治医だけではなく、他の病院の医師からその治療方針についての別の意見を聞くことをいいます。患者にとっては、主治医だけでなく複数の医師から意見を聞くことにより、より望ましい選択を選ぶことができるというメリットがあります。
そして、これは医療だけでなく、税務面においても同じことがいえます。医療の世界でも特定分野への細分化や専門化が進んでいるように、税制度も近年、高度に複雑化・専門化が進んでおり、法改正も頻繁に行われています。
税務の関わる範囲は多岐にわたり、税理士もすべての税務に精通しているわけではなく、得意・不得意があります。そのため、長年お付き合いのある顧問税理士であるからといって、その言っていることが必ずしも正しいとは限らないのです。
税務に限らず一般的な仕事においても同じことがいえますが、外部の第三者である別の税理士の目線でチェックをすることで、担当者や担当税理士が習慣的につい見過ごしてしまったミスが発見できたり、トラブルを未然に防ぐことが期待できます。もちろん、税理士は数字に対して厳しいチェックを行うものですが、そのチェック体制はそれぞれの税理士事務所によって差があることは否めません。
契約関係が続いている顧問税理士の場合、どうしても保守的な考え方になりがちになります。そのため、「競争を勝ち残りたい!事業を成長させたい!」という意欲的な経営者とは、相性や見解が乖離していくことが往々にしてあります。
このような場合、外部の税理士によるセカンドオピニオンは補完的な機能として働きます。顧問税理士と同じ意見が出た場合には、その判断が最良であるとの強固な裏付けをすることができます。また、異なる意見が出た場合には、経営の意思決定における選択肢の幅や貴重な判断材料が得られたことにもなります。
外部の税理士からセカンドオピニオンを聞くことにより、専門的な分野について新たな可能性を発見できたり、自社の経営課題が明らかになることがあります。
たとえば、相続や事業承継、M&Aの場面など必要となる資産価値の評価や株価評価は、税額計算の基礎となる重要なものであり、取り扱い金額が大きくなる分、納税額が解釈の余地に左右され易いものでもあります。実際、セカンドオピニオンにより、節税対策が進み、納税額を大きく減らすことができたという声も聞きます。
また、現在の顧問税理士にはない新たな意見を聞くことにより、新しいビジネスが生まれ、会社経営が大きく前進することもあり得ます。税理士の判断基準により、取引や経費、税額が決まるのですから、追加で10%の節税ができるということは、新たに10%の売上を叩き出すことと同じ意味を持っているのです。
●東証プライム上場企業から個人事業主に至るまで、これまでに豊富な顧問契約の取扱実績を持つ弁護士法人プロテクトスタンスと連携し、経営支援のノウハウをご提供いたします。
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このように、セカンドオピニオンという仕組みは、税務・会計業界においても一般的になっていますので、決してやましいことではありません。
現在の顧問税理士に「別の税理士にセカンドオピニオンを頼んでいます」と別段断る必要はありませんし、クライアントからの許可がない限り、私たちからその話をお伝えすることもありません。既にご依頼されている顧問税理士との関係性に最大限配慮して、柔軟に対応いたします。
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