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Q.13税務調査で指摘されやすいアスリート特有の注意点はありますか?

スポーツ税務顧問
2026.03.25
A.13

アスリートは、競技活動に伴う支出や収入の形態が一般の方と大きく異なるため、税務調査において特有のポイントで指摘を受けやすい傾向があります。特に、経費とプライベートな支出の区別や、収入の計上漏れの有無などは重点的に確認されます。

また、スポンサー契約や海外での活動など、専門的な判断を要する取り引きも多く、適切に整理できていない場合には思わぬ指摘につながることがあります。

指摘を受けやすいポイントと対応策を、「経費」と「収入」に分類して解説します。

(1)指摘を受けやすい「経費」と対応策

アスリートの経費について、税務調査では「競技との関連性」が重視されます。しかし、私生活との線引きが難しいため、詳細な確認を求められるケースが少なくありません。

・食費、栄養管理費(サプリメント、遠征時の食事など)

食費はアスリートとしてのパフォーマンスを維持するために重要な支出ですが、日常的な食事は原則として経費に認められません。また、サプリメントや特別な栄養管理費についても、競技との直接的な関係性や必要性が明確であるかが重要です。

用途や目的がわかる資料を残し、一般的な生活費との違いを説明できる状態にしておくことが求められます。

・トレーニング費用、ジム代

競技力の向上を目的としたトレーニング費用は経費となる可能性がありますが、プライベートな利用との区別が曖昧な場合には、経費として認められない(否認される)ことがあります。

契約内容や利用実態を踏まえ、競技目的であることを客観的に説明できるよう整理しておくことが重要です。

・旅費交通費、宿泊費

試合や遠征に伴う費用は原則として経費に該当しますが、観光や私的な滞在が含まれる場合は、その部分が否認される可能性があります。

日程や活動内容を記録し、競技との関連性を明確に示せるようにしておく必要があります。

・家事関連費や共通費用(自宅家賃、光熱費、通信費など)

自宅をトレーニングや業務に使用している場合でも、全額を経費とすることは認められず、合理的な基準による按分(あんぶん)が求められます。

使用面積や使用時間などにもとづき、説明可能な基準で区分しておくことが重要です。

(2)指摘を受けやすい「収入」と対応策

アスリートは収入源が多岐にわたり、現金以外の形での収入も多いため、税金の申告漏れや区分誤りが生じやすい点に注意が必要です。

・スポンサー契約、肖像権収入、出演料など

スポンサー契約や広告出演などによる収入は、契約内容や実態に応じて適切に所得区分を判断する必要があります。所属チームからの報酬とは性質が異なる場合も多く、整理が不十分なまま申告すると指摘の対象となる可能性があります。

契約書や取引内容を明確に把握し、収入の性質ごとに適切に管理しておくことが重要です。

・現物支給の収入

スポンサーから提供される用品やサービスなどは、内容によっては経済的利益として課税対象となる場合があります。金銭の授受がないため見落とされやすいものの、税務調査では確認されるポイントです。

提供された内容や金銭的な価値を把握し、適切に記録しておく必要があります。

・報奨金やその他の収入

大会の賞金やイベント出演料などはすべて課税対象となります。

実際に入金があった金額だけでなく、契約や仕事の内容にもとづいて収入を把握し、計上漏れや期間(申告年分)のズレが生じないよう整理しておくことが重要です。

・海外での収入(国際試合や海外スポンサーなど)

海外での試合やスポンサー契約により得た収入については、国内外で課税関係が生じる場合があります。

課税関係の整理や外国税額控除の適用など、専門的な判断が必要となるため、事前の確認が重要です。

(3)税務調査に備えるためのポイントと対応の考え方

税務調査は突然連絡が来ることが多く、事前の準備が不十分な場合には、必要以上に不安を感じたり、適切な説明ができなかったりすることがあります。アスリートの場合は遠征や移動が多く、資料の整理や管理が後回しになりやすいため、日頃からの備えが特に重要です。

まず重要なのは、いつ調査が来ても説明できる状態を維持しておくことです。

経費については「なぜ必要だったのか」、収入は「どのような内容に対するものか」を、自分の言葉で説明できるよう整理しておくことが求められます。領収書や契約書だけでなく、スケジュールや活動内容の記録などもあわせて残しておけば、説明を補強する重要な資料となるでしょう。

また、調査実施時の受け答えの内容も重視されます。

記憶が曖昧なまま回答したり、その場で無理に説明しようとしたりすると、かえって疑問を持たれることがあります。事実関係が不明確な場合には即答を避け、資料を確認したうえで回答する姿勢が大切です。

申告内容に一貫性を持たせておくことも重要です。年度ごとに処理方法が大きく変わっているような場合、その理由を説明できなければ不自然と判断される可能性があります。

日頃から一定のルールにもとづいて処理を行うことで、調査時の対応もスムーズになります。

(4)税理士のサポートで税務調査に日頃からの備えを

これまでにご説明した通り、税務調査への備えは日常的な管理の積み重ねによって大きく差が生じます。もっとも、アスリートの税務は収入や活動内容が多様なので、適切な判断が難しい場面も少なくありません。

安心して競技に専念するためにも、日頃から税理士に相談し、継続的にサポートを受けられる体制を整えておくことが有効です。

税理士法人プロテクトスタンスでは、企業だけでなくプロスポーツ選手・アスリートの税務顧問にも注力しております。日頃よりご相談いただいている方は、野球選手やサッカー選手、ゴルファーやテニスプレイヤー、陸上選手など、多岐にわたります。

税務調査への対応はもちろん、節税対策や確定申告、引退後まで意識した資産形成やセカンドキャリアなどにも対応が可能です。高いパフォーマンスを発揮していただけるよう、税務面から全力でサポートいたしますので、ぜひご相談ください。

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