個人事業主の場合、1月から12月までの収入・支出の計算結果が赤字となったときは、所得が発生しないことになります。
そのため、所得税を納税する必要がありませんので、確定申告を行う義務もありません。
そもそも、赤字とは、1年間のうちに発生した売上金などの収入から、家賃など必要経費、基礎控除や社会保険料などの諸控除を差し引いた計算結果である所得金額がマイナス状態のことを指します。
税金は所得に対して課税されますので、赤字には所得税が発生しません。そのため、確定申告を行う必要がないといえます。
また、赤字でなくても、年間収支を計算した結果、事業所得が年間38万円以下(副業の場合は20万円以下)の場合も申告は不要とされています。
しかし、申告を全く行わないと、様々なデメリットも発生します。
たとえば、前年の収入で計算される国民健康保険料の算定の際、前年が低収入あるいは無収入の場合は、保険料の軽減措置があります。
ところが、確定申告が無申告ですと、低収入・無収入を証明する書類が発行されませんので、軽減措置を受けることがでません。
また、無申告の年度は、収入を証明する書類がありませんから、ローンなどを組む際に、審査が不利になる場合もあります。
さらに、住民税が課せられていないときに発行される非課税証明書が発行されず、児童手当などの手当ての申請ができない場合もあります。
それ以外にも、青色申告を選択している人は注意が必要です。2年間連続して、無申告の場合には、青色申告の承認が取り消されるからです。
以上のようなことから、たとえ赤字であったとしても、確定申告はきちんと行うようにしましょう。